濃い場所

dhaka多分、誰でも多かれ少なかれ場所や状況の光景に衝撃をうけた経験はあるかと思います。グーグルマップの航空写真が好きでたまに、ぼんやりと眺めたりしています。そこでふと、過去、アジアの場所で強烈に印象に残っている場所や状況の光景が、衛星写真ではどうなのかな〜〜と再度グーグルで再訪問してみました。
まずは、、、、
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ここはバングラディシュのオールドダッカの船着き場。もう16-7年前ぐらいに南アジア初体験の土地で、旧市街地の路地裏をドキドキしながら、歩きこの船着き場にたどりついた。航空写真でひしめきあっている大きな船フェリーボートで、バングラディシュは大河のデルタ地帯の土地で各地方を結ぶ交通網としてフェリーボートが発達しています。当時はまだ外輪船のフェリーボートも残っていました。人と物の混沌状況に圧倒され足取りが地に着いていない感覚を覚えた記憶があります。この河は墨を薄めたような黒い水だった。

howra
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国は違いますが同じベンガル地方の、コルカタ(昔の地名はカルカッタ)のハウラー駅。ダッカもそうですがコルカタも爆発的に人が集中している大都会です。この駅は大英帝国植民地時代から発展してきた鉄道網の巨大終着駅。その規模もさることながら、衛星からもこれがターミナルステーションであることが一目瞭然です。ここにたどり着くたびに何か気分も一旦ターミネートされ、ちょっと感傷的な気分になるのだが、人々の流れと列車の出入りはそんな気分を一蹴するだけの量とパワーで満ちています。Roland Joffé監督の「City of Joy」でこのカルカッタの濃いい情景が見ることができます。

varanasi
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次はガンジス河のほとりのヒンズー教の聖地バラナシ。よく映像や写真で紹介されているガートの風景は、川下に向かって右岸で、対岸側はまったくなにもない砂浜です。ヒンズー教徒にとっては不浄の地なので、全く人工物はないです。衛星からみるとか、広大な真っ白できれいな砂浜が広がっているのがわかります。この川岸は日本の河原のイメージと異なり、目の細かい砂浜なのです。不浄の地ですが、観光客などはボートの船頭さんに頼めば対岸まで連れて行ってくれます。サドゥ(ヒンズー教の遊行僧)の一部カルト的な一派が子供を連れ去り、この場所で首を刎ね黒魔術的なことをやっているという都市伝説的な話も聞いたことがあります。衛星から見ると奇麗ですが、人骨が転がっていたり、何か生き物(人かそうでないかはわからないですが)の死体が漂着しているのを発見することがあります。そのような場所ですが、決して陰鬱な印象はないです。

poipet
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アジアの国境の街は、イカガワシイ雰囲気があって濃い場所となっているところが多い。国と国のエッジ部分は国の制度や関係と人々のしたたかに生きるエネルギーとの微妙なバランスの上に成り立っている。タイとカンボジアの国境を見てみた。規模として風景的に閑散としている国境の街も多いが、この国境の周辺の街はかなり発展している様子がわかり、衛星写真からも人々のしたたかに生きるエネルギーが、感じ取れる気がします。この衛星写真を見ると、写真のせいかわからないけれど屋根がとてもカラフルで明るい。カンボジア側は巨大カジノが乱立してたりと、したたかさもあるが、難民キャンプがあったり、ホームレスの子供達がいたりと弱者が犠牲になっている現実もあるようです。先述したRoland Joffé監督のポルポト政権下のカンボジアを描いた映画「The Killing Fields」もオススメです。

alang
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ここは実際に行ったことはないですが、西インドのどこかで、タンカーや貨物船を解体する現場の写真を何かの本か雑誌の記事で目にした記憶があって、グーグルマップで海岸線をたどって探して発見しました。浜辺に打ち上げられたタンカーや大型貨物船が人力で解体されてい風景がかなり衝撃的でした。日雇い労働者たちが、恐ろしく劣悪な労働環境で働いているという状況はあまり触れられたくない部分でもあるそうです。打ち上げられたタンカーが並ぶ風景を実際みてみたいが、、、、、、あまり興味本位で行ってはいけないところでもあるのかな。

傍観者の視点なのだけれども、「濃いい場所」が生まれる成り立ちを観察するのは面白い。やはり「濃いい」という印象を持つようになる条件は、圧倒的な量的な要素が重要なような気がします。

ーーpsーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
14900086《バラナシのガンガーの対岸の風景。タカタとキシイの母》

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