ものつくり

111020CNC
今、工事が進行中の住宅のリフォームで、既存の造作家具の改修も行います。その家具の一部分の装飾をCNC切削加工で制作します。今日はそのCNC切削加工をやってもらっている、株式会社ミナロさんの工場にお邪魔しました。ミナロさんは家具制作の木工系の加工ではなくて、プロダクト系の木型、プロトタイプの制作を手がけている会社です。CADやもの作りに精通した高い技術力をもった若い職人さんたちが働く会社です。3DCADでデザイン設計して、そのデーターを機械が製品に加工していくという、いわゆるデジタルファブリケーションです。 最近は、3Dのデザインツールが一般の人向けに、いろいろと出ています。インテリアデザインなら『Homestyler』プロダクトデザインだと『123D』プロの人も多く使っている『Sketchup』などなど、一般の人向けにデザインツールやファブリケーションの環境の敷居が下がり普及しつつあります。もの作りに携わるものとしてはDIYムーブメントは大賛成で、多くの人がコンピューターを使って、情報を共有しながら、それぞれのニーズに応じてものつくりしている世界はすばらしいなと素朴に思っています。デジタルでのものづくりが、なにか手作りよりも、デザイナーや制作者は頭を使わず、楽に「もの」が自動的にできてくるようなイメージを持ちがちですが、実際は全く逆で、切削加工する材質とその選択、デザインした形がどのような切削工程が必要か、最終形にいたるにどのようなカタチのデータを作らないといけないか、またある程度CNC切削機についての知識とかを知っていないと、切削に無駄に時間とコストがかかったり、再現不可能な幾何学をデザインしてしまったりします。今までの紙に図面を描いて制作者に渡してお願いするよりも、制作とデザインがダイレクトにつながっているので、よりデザイン精度が求められています。デザイナーと制作者が同じデーターを見ながら、やりとりできる点が、すばらいくもあり、また今まで以上に密接な関係が必要な気がします。今回、データーを送信してあとはお任せではなくて、フィジカルにモノと対峙する経験は何回も積む必要があるかと思い実際に制作の現場を訪問しました。そして明日はこの現場の工事の進捗チェックに行ってきます。
データーやノウハウは共有できても、フィジカルな実体験で得た感覚は共有できないですからね。

PSデジタルファブリケーションといえば、スペインで行われた、靴の収納システムのコンペでfinalistに残って、プロトタイプを作成しています。今回のミナロさんのところと同じく、3軸CNC切削機で部材を切り出しています。来月スペインにいきますので、また後ほどブログで詳細を報告します。

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模様
引き出しの前板部分です。またリフォーム工事全体が終わったら写真アップします。