デザインノート」カテゴリーアーカイブ

Renovation

私たちは、基本的にプロダクト、インテリア、建物等、その対象に関わらず3次元データをもとに、検討設計しています。
リノベーションの難しいところは、解体前に少ない情報で、3次元データを用意しないといけないところにあります。
ある程度の想定でモデリングを進めていき、解体して現状を確認して修正していきます。

既存の図面とは大きく異なる箇所があって、四苦八苦することが多々あります。音楽で例えるなら、楽譜をもとに演奏するスキルより、ストリートで「ジャムる」能力とセンスが必要です。

設計作業としては、スケルトン状態でリノベーションだと、モデリングの作業は楽なのですが、スケルトンにしない改修工事なので、確認しきれない構造フレームが想定と違う部分が出てきます。3次元データも実物をスキャンしてポイントクラウドデータを用意するのも現実的ではないので、今回は3Dcadでダイレクトモデリングしていきました。

画像は設計検討用のデータの作業画面のイメージでいわゆるプレゼン用のレンダリングCGではないので、いわゆる一般の人がみる「パースイメージ」とは違うかもしれません。実際つくる大工さんに伝えるのは1次元減らして2次元でやり取りする方が、スムーズです。なのでこのマスターモデルから図面の元になるものを抽出して、みなれた「図面」を現場では使います。

建設現場の技術は過渡期なので、いろいろ試行錯誤しながら進めていき、設計手法にもフィードバックしていくのかなと日々実感しています。

高尾ツリーダム 現場

足掛け6年ほど関わっているプロジェクト。自然豊かな裏高尾の山中で現場がゆっくりと進行中です。
地元の木材を自分達で焼いて磨いて仕上げた焼杉の外壁も貼り終わり、建物の外観が少しずつ見えてきました。

下地の竹を伐採するところから始めた土壁の仕上げや、現地の土を混ぜて自分達で漉いた和紙貼りなど、他ではなかなか体験できない建物づくりがまだまだ続きます。

新しいネームプレート

new nameplate
新しくネームプレートを高尾の事務所に設置しました。シナ合板をレーザーカッターでカットしロゴと文字を彫刻しました。葉っぱの葉脈や末端の血管をモティーフにしています。

ランプシェード

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紙製のランプシェードです。厚めの紙のハニカム形状で出来ていますので、意外としっかりしています。熱帯植物の蕾のような、ちょっとユーモラスな形が、お部屋のアクセントになります。受注制作になりますので、それぞれ形のうねり具合等も異なり一点ものとなります。ミーナクシーデザインはインテリア小物のデザイン制作も行っていますので、お気軽にお問い合わせください!!

ダウンライトへ

lampshade
既存の建物のよく見かける壁に埋め込まれているダウンライト。青白い昼光色の電球がついていると、なんだか味気なく殺風景です。そこで、今回はちょっと足し算的デザインで雰囲気をかえてみます。何を使ったかといいますと、、 続きを読む

カタチをみつける

funikura_model
去年の11月にバルセロナのサグラダファミリアを訪れました。教会の地下は、サグラダファミリアの設計や工事に関するものが、展示されているスペースになっています。 その展示の中で、特に目を引くものの一つに、『フニクラ・モデル』があります。この模型は、ガウディーが、構造的に安定した形を探すために考案した、縮小模型です。紐に複数の錘りを規則正しくぶら下げると、重みで紐がたわんで、ある曲線が現れます。紐にはカーブの方向に重力によって引っ張られる力しかはたらいていません。それを逆さまにすると、逆にカーブの方向には、重力に対抗する力しかかかっていないことになります。このカーブは重力に対して理想的なカーブのアーチになっています。
デザイナーや建築家がカタチを”創造”するのではというイメージを持っている方々が多いと思いますが、実はカタチを”探り出す”という感覚の方が近いのではないかと思います。特にガウディーが、紙と鉛筆でのスケッチだけでなく、このような装置を自ら考案してカタチを決めていったのは、先進的だったのではないでしょうか。
私たちも、日々、カタチをみつける作業をしています。ガウディーが没してから90年以上たった今では、創作環境の様相は劇的に変わっています。ノートパソコンも一昔前のスーパーコンピューター並の性能があったりします。なので、今はコンピューターの中にモデルを組み立てて、シミュレーションしてカタチを決めていくのが可能になっています。デスクトップシミュレーションという感じでしょうか、、、、、
そこで、試しにこのガウディーが考案した『フニクラ・モデル』の手法を使って、カタチを作ってみました。
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最近のリフォームの現場

リフォーム現場

今、工事が進行中のリフォームの現場です。今回お願いしている工務店とは、100%ネット経由でPDFで図面等のやり取りをしています。工務店からも図面は紙でもらうよりも、PDFのファイルで欲しいとのこと。工務店と専門業者とのやり取りもPDFでやっているそうです。現場からもケイタイメールで疑問箇所が送られてきます。たしかに、図面や絵など書き込みもカラーでわかりやすくできて、設計事務所からの指示事項も工務店経由でPDFで専門業者へ転送して、情報を共有できている。だけど、いくらネットでつながっていても、やはり現場で作業している大工さんや職人さんと、直接実際にモノをみながら話している経験と感覚の共有がないと、メールでのやりとりだけもうまくいかないのも事実だと思います。
大きなゼネコンではなく、ちいさな工務店もICT化が進んできているでしょうか??なんか来年あたりには現場に1台ipadがおいてあるような勢いです。職人さんがiRhino 3Dでデザイン事務所から送られたデーターみて前もって納まりを確認する時代が来ているんでしょうかね。

ものつくり

111020CNC
今、工事が進行中の住宅のリフォームで、既存の造作家具の改修も行います。その家具の一部分の装飾をCNC切削加工で制作します。今日はそのCNC切削加工をやってもらっている、株式会社ミナロさんの工場にお邪魔しました。ミナロさんは家具制作の木工系の加工ではなくて、プロダクト系の木型、プロトタイプの制作を手がけている会社です。CADやもの作りに精通した高い技術力をもった若い職人さんたちが働く会社です。3DCADでデザイン設計して、そのデーターを機械が製品に加工していくという、いわゆるデジタルファブリケーションです。 続きを読む